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鏡の中にある如くのchiyoのレビュー・感想・評価

鏡の中にある如く(1961年製作の映画)
3.5
2023/1/26
「神の沈黙」三部作の1作目。登場するのは父親と娘と息子、娘の夫の4人のみ。最初こそ仲が良い家族のように見えるけれど、娘が精神のバランスを崩していたり、父親が家族のことを分かっていなかったり、息子が父親に当て付ける劇を書いたりと、なかなかに問題あり。特に酷いのが娘の病気について記した父親の日記で、家族が記すものとは思えない完全なる傍観っぷり。それがきっかけで娘の病状が急激に悪化し、作中の時間はたった2日間なのに異様に濃い2日間になっている。そして、娘が神に会おうとするシーンにホラー味があり、ゆっくりと扉が開いていくのが結構怖い。それでも、ラストには救いの片鱗が見える。ただ、宗教観の違いもあって充分に理解できたとは言えないのが残念。それはそうと、モノクロ映像があまりに綺麗でビックリ。
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