櫻イミト

魔・少・女/ザ・ガールの櫻イミトのレビュー・感想・評価

魔・少・女/ザ・ガール(1987年製作の映画)
3.5
「春の悶え」(1951)「沈黙の歓び」(1962)と、性愛表現で物議を醸してきたアルネ・マットソン監督が、最晩年に手掛けたロリコン・サスペンス。

大物弁護士ジョン(フランコ・ネロ)は街角で14歳の少女パットに声をかけられる。再び会った日、彼は少女のあやしい魅力に引き込まれ不倫してしまう。以後、南の島の別荘で逢瀬を重ねるようになるが、二人にスキャンダル誌の記者が目をつける。。。

スウェーデン映画界ではベルイマン監督と同世代(一歳年下)で何十本もの映画を監督したマットソン監督。後期は低迷し低予算スリラーを作っていたとのこと。本作も、フランコ・ネロに刑事役クリストファー・リーと有名俳優が出演してはいるが、内容はB級感の漂うエロティック・サスペンスだった。ちなみに14歳の少女を演じたクレア・パウニーは当時24歳である。

しかし、倒錯した性や露骨な性表現が打ち出されているのは全盛期の面目躍如で、意外なシナリオ展開もあってそれなりに楽しめた。あまり知られていないが、ロリコンの末路が即物的に描かれ妙なインパクトがあり、カルト作となりうる一本と思う。
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