真っ黒こげ太郎

エクストロの真っ黒こげ太郎のレビュー・感想・評価

エクストロ(1983年製作の映画)
4.5
植え付けられる! 地球外生命体の種子(タネ)――――。

全ての宇宙人がフレンドリーだと思うな!
(寧ろ今では侵略者な宇宙人の方が多い気がするが…。)




別荘で遊んでいた父親のサムと息子のトニー。
だが、突如として2人の頭上から謎の光が襲い、サムが光の中に吸い込まれ行方不明となり、残されたトニーも悪夢を見るようになってしまう。

それから3年後、サムの妻レイチェルは新しい恋人と共に平和に暮らしていたが、トニーは未だに悪夢に悩まされていた。

そんな中、サムが3年ぶりに帰って来た!!!
だが、サムは3年間の記憶が無くなってたり、トニーが飼っていた蛇の卵を食べたりと様子がおかしかった。

そして案の定(爆)、サムは既に醜悪なエイリアンと化していた!!!
サムは種の繁殖の為に戻って来たのだ!!!!




3年前に行方不明になっていた父親がエイリアンとなり戻ってきて、息子と共に恐ろしい事件を巻き起こす、SF・エイリアン・ホラー。

ずっとカルト映画として話題になっていた80年代のSF血みどろホラーがまたしても配信されていたので、この機会に鑑賞。
(配信終了5日前だけど。w)



「グロテスクな見せ場が満載」であること以外は何も知らずに見たが、これまたヘンテコな珍品だった!!!


お話は「数年前に行方不明になった父親が戻ってきたが、父親の正体はとんでもないエイリアンだった!!」という、実にありきたりなボディスナッチャー系SF映画のプロット。
父親を失ってから、新しい生活を送ろうとする一家の前に、再び父親が現れる。

そんな中で、父親の息子が普通じゃないと気づいた事から「なるほど、この息子が父親の偽物なエイリアンと戦う展開になるのか」と思っていたのだが、何と息子はアッサリとエイリアンに洗脳される!!!

そこから息子が謎の超能力(!?)を手に入れ、超能力で殺人オモチャ達や黒ヒョウ(!?!?)を生み出し周囲の人々を襲わせるのだ!!!
何だその展開!?

その後、色々あって父親の正体が他の人にも明らかになり物語はクライマックスへ突入してゆくのだが、とにかくストーリーがどう転がってゆくのか分からず、色んな意味で楽しめた。
ラストのあまりに唐突なバッドエンドは伏線を貼っていたとはいえ「えー?」ってなったぞ。



無論80年代のホラーだけあって、気持ち悪い特殊メイクを駆使した見せ場も盛り沢山。

物語の序盤から女性がエイリアンに犯され(!?)腹が膨らみ、股を裂いて血まみれの大人な父親がコンニチワする(!?!?)シーンに始まり、その後もキモグロでグチョグチョなシーンのオンパレード。
サラダの中にいる蛇をハンマーで潰したり、オモチャの兵隊やピエロに人々を襲わせたり、若い女性がエイリアンの卵を生むだけの繭に改造されたりと、あの手この手でバリエーションに富んだキモグロなシチュエーションが展開。
エイリアンの造形も良い感じにグロく、気持ち悪く脈打つ卵とか、噛みついて吸い付いて血管を浮かび上がらせたりと、気持ち悪い場面が目白押し。
人体がデロデロに溶けたり、股を裂いて血まみれで出てきたりと、スプラッターなシーンもあちこちで見られるぞ。



正直、ストーリーに関しては行き当たりばったりだし、統合性もへったくれも無いムチャクチャな内容ですが、80年代感満載なBGMに特殊メイクの見せ場が満載、お話も行き当たりばったり過ぎて逆にどうなるか分からない展開の連続で逆におもろいという(爆)、カルト化も頷ける実にぶっ飛んだ一作でした。

昔のホラー映画らしくモッサリしてる箇所やアナログに感じるところもあるけど、それらもひっくるめて楽しかった。
CGより昔ならではの特殊メイクやVFXの方がええんじゃ!という80年代B級ホラー大好きな人には是非ともオススメな逸品です。