ジジイ

血のジジイのレビュー・感想・評価

(1989年製作の映画)
4.2
ポルトガルの映画監督ペドロコスタの長編第一作。1989年。全体を不安や恐れのムードが支配する一方で、モノクロの画面が超絶美しい。「狩人の夜」や「西鶴一代女」などを彷彿とさせ、意味不明な部分もありながら95分全く飽きることがなかった。病気がちだがしばしば家を空ける父と息子二人の物語。青年の恋人に「溶岩の家」のイネスデメディロス。ショットの独特のつなぎ方や計算されたライティングに眼を奪われる。森と枯れ木、どす黒い河や川霧が意思を持っているかのような幻夢的な表現が素晴らしい。
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