イチロヲ

続 愛と誠のイチロヲのレビュー・感想・評価

続 愛と誠(1975年製作の映画)
4.0
懺悔の念に駆られている上流階級の少女・愛(早乙女愛)が、不良生徒・誠(南条弘二)を追って、荒れ果てた底辺校へと転入する。梶原一騎原作・ながやす巧作画の同名劇画を映画化している、松竹産のバイオレンス・ドラマ第2弾。筆者は原作を読了済み。

西城秀樹が降板しているが、原作の中でもパンキッシュな部分を重点的に取り上げているため、なかなかどうして見応えあり。とりわけ、女子相手でも手加減しない、男女平等のバイオレンスをきちんと再現しているところが素晴らしい。

また、多岐川裕美演じるナイフ使いのスケバンがハートキャッチであり、個人的には「聖獣学園」に匹敵するベスト・アクティングと言える。巨大な体躯で登場する知恵遅れの用心棒も、成り切り度合い満点の芝居を見せてくれる。

「世に蔓延る不条理を誠が恣意的に操作する→そのサディスティックな境遇を愛に課していく」というモチーフを活かして欲しかったが、バッドエンド的な終幕がインパクトあり。「3部作シリーズは真ん中が一番面白い」の法則が働いているところも興味深い。
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