こたつむり

スペクトルのこたつむりのレビュー・感想・評価

スペクトル(2016年製作の映画)
2.7
♪ (We're gonna) stay alive
  (We're gonna) stay alive
  同じもの見ていても
  違う思い ぶつかり合う

「3」は古来より聖なる数字です。
極論ですが、世の中の全ては「3」に分割できるのです。逆に言えば、それを全て混ぜ合わせたら“完全無欠”の状態になるのです。三角形が最も安定した形と言われるように。

だから、この製作者も考えたんでしょう。
「大切なものを「3」つ混ぜれば“完全無欠”の映画ができるに違いない!よし、グーとチョキとパーを兼ね備えた映画を作ろう!」と。

そして、混ぜたのはSFとホラーとミリタリー。
これは斬新ですよ。特にSFとホラーは食い合わせが悪いですし、ホラーとミリタリーも同様。リアリズムが大切な世界観に幽霊とか馴染むのでしょうか。とても勇気のいる選択だと思います。

その答えは僕らの目の前にあります。
そう。本作を観れば良いのです。理屈で言えば“完全無欠”の映画が出来るはず。「細工は流々、仕上げは御覧じろ」と言いますからね。黙って臨めば良いだけ…なんですが。

結論だけ書くとするなら。
フツーの、とってもフツーのB級アクション映画になっていました。あれ?なんでだろう。

思うに、混ぜ方が悪かったのかも。
何しろ、途中で理屈が分からなくなるんです。
戦場にゴーストが出る→現状を分析して対策を立てる、という流れは科学的であり、とても理想的な流れですが…その途中に“電波”が混じったんですね。

例えば「気体と液体と固体を全て兼ね備える」とか言われても、すぐには理解できないですよ。「紫外線があれば見えないものが見えるようになる」とか言われても「じゃあ、真昼間ならすべて見えるね」としか言えないじゃないですか。

それとも、これは僕の理解力が足りないだけかな。うーん。小学生からやり直さないとダメでしょうかねえ。

まあ、そんなわけで。
ネトフリのオリジナル作品だけに、予算が掛かっていると思われるビジュアルは圧倒的!なので、アタマは使わずに筋肉だけで鑑賞したほうが良い作品。ツッコんだら負けです。たぶん。
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