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鳥の島の財宝のchiyoのレビュー・感想・評価

鳥の島の財宝(1952年製作の映画)
3.5
2022/7/23
季節が巡ると小さな島にやって来るツバメたち。このツバメたちの鳴き声が可愛らしく、何度も繰り返されるのが心地好い。そして、村の漁師がツバメたちに、この1年に起こった出来事を話して聞かせる。始めこそ、子ども向けの優しい物語かと思ったけれど、なかなか辛辣で完全に大人向き。人の妬みと欲深さ、堕落といった負の要素が、絵本のような世界で描かれる。そのギャップが堪らなく、かつ、きちんと再生までを描いているのが良い感じ。結局のところ、人は足ることを知り、身の丈にあった生活を送るのが一番幸せなのだと思う。それにしても、堅実な生活を送っていた漁師が、いきなり窃盗に手を染めたことにビックリ。彼も島の人々も、ラストでは丸く収まってホッとした。
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