チッタスープ

1:99 電影行動のチッタスープのレビュー・感想・評価

1:99 電影行動(2003年製作の映画)
3.3
香港ショートフィルム集。DVDだと収録時間68分と書いてるのに本編15分で終わってビビッた。

本編が予想以上の短尺もあり割と肩透かしだったけれども、特典のメイキング(約40分)がメインディッシュと思わされる程、興味深い内容だった。

なぜかというと本作のメイキングは、制作当時の2003年、SARSに塗れた香港の社会の様子をリアルに映し出した資料映像となっていたからである。

マスクの品薄、咳への警戒、徹底した消毒、リモート通話、医療従事者への支援・・・・
当時の香港の上記が、ごく最近までの感染症の影響を受けていた私たちの生活と何ら変わりのないもので驚かされる。
加えて冒頭で言及されるレスリー・チャンという香港の大スターの喪失も、コロナ初期における、芸能人や有名俳優の急逝が相次いだ当時の絶望感をオーバーラップさせた。

そんなどん底の2003年でも、何とか元気を取り戻そうと一致団結する香港の人々の奮闘っぷりが、最初から最後までありありと映し出されており、脱帽してしまう。
熱く香港精神を語る監督たちや、芸人のスギちゃんに瓜二つのワイルドな格好をして、優しく香港民にメッセージを送るアンディ・ラウが本編以上に印象に残る。

余談だけど、当時の香港の映画賞の授賞式の様子も映っていて、『インファナル・アフェア』シリーズってこの時期の作品なんだ・・・と少し感慨深くなった。
チッタスープ

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