半兵衛

戦慄!プルトニウム人間の半兵衛のレビュー・感想・評価

戦慄!プルトニウム人間(1957年製作の映画)
2.7
肝心の巨大人間と普通の人間との合成がまだ発達途上のせいか対比があまり効いておらずさすがに今見直すとチープさは否めないけれど、それでも普通の人間がプルトニウムを浴びたことにより突然変異して巨大化していくことへの苦悩やそれに困惑する周囲の状況を丁寧に描いているのでそれなりに見ごたえはある。あと巨大化しても意識はそのままであるがゆえ、その巨体から通常の社会に馴染めずどんどん追い詰められていく怪物ゆえの悲哀というポイントも押さえているところも好印象。

原子爆弾で被爆した人間が巨大化するという荒唐無稽にもほどがある設定はさておき、「人間は細胞で形成されている」という科学の基本を生かした脚本が見事で人間が巨大化していく理由や心臓がなぜ巨大化しづらいのかについてそれなりに説得力をもたせているのが見事。

でも巨大人間のドラマを丁寧にやりすぎているので見せ場が後半になるまでないので地味な印象はぬぐえないし、肝心の巨人の顛末が荒い特撮で処理されているので苦笑いの余韻になってしまうけどね。

あと序盤の飛行機墜落事件の被害者はどうしたんだろう、確実に亡くなっているとは思うけど…。
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