うにたべたい

戦慄!プルトニウム人間のうにたべたいのレビュー・感想・評価

戦慄!プルトニウム人間(1957年製作の映画)
2.8
B級特撮で知られるバート・I・ゴードンの代表作。
パッケージの通り、オムツ姿の巨大なおっさんがヤケクソになって暴れ回るという愉快な映画です。

主人公のマニング中佐は、プルトニウム爆弾の実験中の事故で全身被爆し、生存は絶望的と診断されるのですが、翌日には全身の皮膚が復活し脅威の回復をみせます。
だが、彼の体はそれ以上に成長を続け、どんどん巨大化してしまう。
自身の肉体が巨大化する恐怖から精神が崩壊していく様を描いたホラー映画で、決してギャグではなくまじめに作られた映画です。
結果としてオムツ一丁のハゲオヤジが暴れる絵面になってしまったのは不本意だったろうと思うのですが、やはりその姿は、「戦慄!」というよりもシュールさを感じますね。

白黒の古い映画ですが、できは悪くないです。
ストーリー展開はシンプルで、心理描写も丁寧で楽しめました。
ただ、中盤あたりから退屈感があり、巨大マニングが街に出てからも、そんな大暴れという感じではないです。
おじさんを街に合成しただけの特撮映像で、直接ビルを蹴散らすような、迫力あるシーンはなかったように思います。

タイトルが酷いですが、原題は「The Amazing Colossal Man (びっくりするほどおっきい男)」なので、原題もたいがい酷いですね。
ラストはまさかのバッドエンドですが、好評だったらしく続編が作られています。
続編ではマニング中佐が救済されることを祈ります