ひこくろ

デート・ウィズ・ドリューのひこくろのレビュー・感想・評価

デート・ウィズ・ドリュー(2004年製作の映画)
4.3
本気と情熱だけで作られてしまった異色で痛快なドキュメンタリー映画だった。

クイズの賞金1100ドルと、30日間レンタルしたカメラ。
ブライアンにあるのはこの二つだけ。
だが、彼は憧れのドリュー・バリモアとのデートを本気で実現しようと考える。

友人のジョンとブレットに協力してもらい、まずは手当たり次第に伝手を探していく。
その一方で、映画の予告編を作り、メッセージビデオとして彼女の事務所に送りつける。
もちろん、そうそう上手くいくはずもない。
なんたって、ブライアンは一般人なのだ。
それでも彼は諦めない。

友人の友人のそのまた友人と繋がり、ドリューの関係者に近づいていく。
ただ、彼らは情熱的だが、計画性がほとんどない。
ドリューと会った時のために脱毛や筋力トレーニングを試みたり、デートの練習のためにそっくりさんを集めて相手をしてもらったり、しまいには占い師に見てもらったり。
この本気度があちこちと明後日の方向へ向かってしまうのがたまらなくおかしい。

作戦のほとんどは失敗し、最終的にはドリューが出演している「チャーリーズ・エンジェル」のプレミア試写会にブライアンは潜入することになる。
偽造パスを使っての、文字通り、潜入だ。
が、せっかくドリューに会えたのに、彼は興奮と緊張とで変な握手をするので精いっぱいになってしまう。
この正直な情けなさがまた愛らしい。

どんな結末を迎えるのかは書かないけれど、観終わると、出てくる人たちみんなが愛おしくなるような映画だった。
本気と情熱は人を幸せにする。
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