JAmmyWAng

ワンス・アポン・ア・タイム 英雄少林拳のJAmmyWAngのレビュー・感想・評価

4.0
カンフーの本質的要素は武徳であり、肉体的な鍛錬は慈悲深い精神性を獲得する為に積み重ねられ、力ではなく寛容な心こそが善悪の分け隔てなく真に魂を打つ。

そうしたプロセスを欺瞞無く体現出来るピュアな表情がリュー・チャーフィーには備わっていて、彼の初主演作品として申し分のないテーマ性に私は感嘆してしまうワケであります。

しかしながら一方で、いくら武徳という精神性がカンフーのエッセンスであるとしても、ラウ・カーリョン自身が繰り出す棍術における一挙手一投足は最早こんなもん芸術やないですか。

上半身的な棍さばきだけでなく、流れるように踏み込まれるステップにも堪らないものがあり、純粋な肉体的運動としてのカンフーに否応なく心酔してしまうのだけれど、それでもやはりチェン・カンタイから受け継がれ、ワン・ユーと共有される精神的な「武徳」を炸裂させていくリュー・チャーフィーにも圧倒的な説得力があるワケです。

そうした説得力を生み出す行為こそ「修行」に他ならないワケで、リュー・チャーフィーの表情が体現する純粋性は修行の本質を浮き彫りにしていくし、また修行によってリュー・チャーフィーの純粋性がさらに増幅されるという相互的な関係性があって、リュー・チャーフィーという人は間違い無く地球で一番修行の似合う男でありますし、むしろこの人は修行をする為に生まれてきたのではないか。

あるいは、何かと怠けたり挫けたりしがちな、愚かで弱い人々に対して神が現世に遣わした存在「修行天使・リュー・チャーフィー」こそが彼の真の姿なのかもしれない。そんな修行天使からのあなたへのメッセージは、もちろん「南無阿弥陀仏」で決まりだよっ☆
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