うにたべたい

ウルトラマンレオ かなしみのさすらい怪獣のうにたべたいのレビュー・感想・評価

3.1
ウルトラマンレオ映画2作目。
1作目同様、放映終了から数年立った後に、別のウルトラマン映画と同時上映されたブローアップ版です。

ウルトラマンはレオ終了後に5年ほど新作が作られなかった時期がありました。
本作が上映された1979年7月というと、その沈黙を破って新しいウルトラマン『ザ☆ウルトラマン』の放映が始まった年となります。
同時上映された『ウルトラマン怪獣大決戦』では、アニメ作品であるザ☆ウルトラマンが初の実写化しており、かつてのウルトラマンを同時上映することで、ウルトラマンを観ていたお父さんや青年たちに熱い想いを呼び起こさせる目的があったのではと思います。
初代からレオの最終話までの中、選定されたであろう一本が、ウルトラマンレオ第10話『かなしみのさすらい怪獣』でした。

宇宙から燃え盛る謎の流星が地球に落下し、その中には巨大な宇宙生物が潜んでいた。
それを捉えたMACは怪獣退治のために出撃、戦闘機で怪獣に攻撃をかけるのだが、ゲンはその怪獣がかつてL77星で飼っていたペット「ロン」の成れの果てという事に気づきます。
怪獣を撃つこともできず、自分が宇宙人であることを秘密にしているゲンは、MACの仲間から不信感を持たれる。
ゲンはどうするべきか苦悩する、という展開です。
ウルトラマンレオらしく、そもそもペットが巨大化して暴れだした理由は不明、地球へ落下した経緯も不明、そもそもペットにするにはビジュアルが怪獣すぎです。
火を吹き、逆エビ固めをかけきますが、こういうペットはL77星では普通なのだろうか。
最後は倒すことはしないですが、ロンの扱いについては曖昧な終わり方です。
ですが、正直悪い話ではないですね、ドラマがメインのレオで、宇宙人と地球人の間で揺れる様子を描いた良作です。

ただ、若干地味です。
そもそもレオは地味目な回が多いのですが、本作もあまり印象には残らない回です。
怪獣の名前からして「ロン」なんていう印象低の名前で、ストーリーも展開もおおらか、ラストも見返すまで思い出せなかったばかりか、見返してもよくわからなかったので最後だけもう一回見返す必要がありました。
レオの中で有名作というわけでもなく、有名怪獣が登場するわけでもなし、なぜ本作が選ばれ上映されたのか、首を傾げざるを得ないですね。