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レス・ザン・ゼロのdaiyuukiのレビュー・感想・評価

レス・ザン・ゼロ(1987年製作の映画)
4.0
ロスの上流社会に育ち、高校卒業式を終え、東部の大学に進学、エリート・コースの第一歩を踏み出したクレイ・イーストン(アンドリュー・マッカーシー)は、6カ月後クリスマス休暇で帰省し、パーティで親友のジュリアン・ウェルズ(ロバート・ダウニーJr.)や、ロスでモデルをしている恋人のブレア・ケネディ(ジャミー・ガーツ)と再会するが、2人はコカインで飛んでいた。
特にジュリアンはコカイン中毒で父親から勘当され、麻薬売人リップ(ジェームズ・スペイダー)にも莫大な借金を作り、追われていることをクレイは初めて知った。
パーティからパーティヘと流れ歩くロスの夜を久しぶりに満喫するクレイは、大人たちの欺瞞に満ちた空しい生活に反発を抱くブレアとの久しぶりのセックスに溺れる。
一方ジュリアンは、クレイの家から宝石を盗み出すところまで追いつめられており、絶望から麻薬に溺れ苦しむ彼を、ブレアは母性的な抱擁力で献身的に介抱する。
しかし元気になって、リップに脅迫されパームスプリングでホモの相手をさせられているジュリアンを、クレイはブレアと共に助け出すが、深夜のハイウェイをロスへと向かう3人はいつしか眠り始めていた…。
静かな夜が明け、クレイとブレアは、いつしか息絶えていたジュリアンのあまりにあっけない死に深い衝撃をうける。
そして休暇は終わった。ブレアはクレイと共に東部へ同行することを決意、2人の新しい旅立ちは、まさに今始まろうとしていた……。
監督は「アナザー・カントリー」のマレク・カニエフスカ、ブレット・イーストン・エリスの同名小説を基に、ハーレイ・ペイトンが脚色、撮影はエドワード・ラックマン、音楽はトーマス・ニューマンが担当。出演は「マネキン」のアンドリュー・マッカーシー、ジャミー・ガーツ、ロバート・ダウニーJr.ほか。
80年代ならではの華やかなMTV的な映像と甘い未来への幻想が破れていくほろ苦い青春と大学の同級生の三角関係の終わりの対比が、よりほろ苦さを引き立てている。
特に、ロバート・ダウニー・Jr演じるジュリアンのやさぐれたヤク中ぶりと闇落ちしたファザコンぶりが、この頃には実際にヤク中だったロバート・ダウニー・Jrの実体験もありリアリティあり過ぎて見応えある熱演。
アンドリュー・マッカーシーやロバート・ダウニー・Jrやジェームズ・スペイダーなど若手俳優の共演もいい青春映画。
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