不在

寄席の脚光の不在のレビュー・感想・評価

寄席の脚光(1950年製作の映画)
3.8
フェリーニがアルベルト・ラットゥアーダと共同で監督をした『8 1/2』の"1/2"にあたる作品。
端的に言うと浮気性のダメ男が真実の愛に気付くまでの話なのだが、これはその後のフェリーニ作品の主なテーマとなっていく。
というよりこの話自体フェリーニ自身が実際に犯してきた過ちだ。
妻ジュリエッタ・マシーナを何度も彼は裏切ってきた。
それでも見捨てない妻に対して罪悪感は持っていたのだろう。
今作では描かれないが、この後の作品には彼の反省と後悔の念が見て取れる。

『魂のジュリエッタ』で妻と不倫相手を共演させる離れ業を披露したフェリーニだが、哀れなザンパノを救えるのは、ジェルソミーナだけなのだ。
不在

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