皿鉢小鉢てんりしんり

悪魔の花嫁の皿鉢小鉢てんりしんりのレビュー・感想・評価

悪魔の花嫁(1968年製作の映画)
3.4
タランチュラの合成は、別にそういうものだから良いのだが、間に本物のクロースアップを挟んでしまってサイズ感が完全にバレてしまっているのが残念。巨大蜘蛛だという嘘をつき続けて欲しかった。
リチャードマシスン脚本だが、別に上手い人が書いた脚本という感じはあまりない。黒魔術がいかに邪悪かが全然描かれないので、こちらのテンションがあまり乗らない。サバトのシーンとかみんな楽しそうにしてるだけにしか見えないし、そこでめちゃくちゃノリの悪い2人が可笑しい。最終盤で、手軽に誰でも共感を呼べる“子どもを生贄に捧げる”があってようやく、といった感じ。
ハマーの職人仕事であるゴシックな美術は存分に見られるし、スクリーンプロセスのカーチェイスもあり、娯楽映画の心意気は感じられる。ラストの同じ構図を反復して女が死んだパターンと生きているパターンをやるのは、シンプルながら効果的な演出。