男の子と遊ぶことばかり考えている、ティーンエイジャーのローラ・ダーンとその友達。露出度の高い服を着て、大学生や大人が出入りする店に行っては、ナンパされるのを待っている。
毎晩そんな調子なので、厳しい母親とは喧々諤々にやりあい、おとなしい姉の方ばかりが母に贔屓される。ローラ・ダーンは自分は母親に愛されていないと考える。

ある日、家族で親戚のうちにBBQをしにいくことになるが、ふてくされたローラは行かないと言う。家族もだったら留守番してなさいと、彼女を一人家に残して出かけてしまう。
すると、二人の男がやってくる。一人はラジカセでずっと顔を隠し、もう一人のグラサンのイケメンは「俺はおまえのことはなんでも知っている」と言う。その仕草がなんだかとても怖い。一緒に来いと言ってくるが、二度と戻ってこれないような気配がしていて、本能的に不安を駆り立てる。
前半と後半で、なぜか全然違う映画の気配がする、不思議な作品。

傑作！！どこにでもいる田舎のJKが母親と上手くいってなくて男遊びに憧れるという圧倒的な普遍性を持つお話。何より撮影が良すぎる。夜の家の外のロッキンチェアで酒飲んでチルってる親父との会話の場面など最高か？？

家の前の果樹園の中を歩くショットも良い。異常に果物(梨かなんか？)が地面に落ちている。
また田舎のモールでJK3人がケラケラ笑いながら歩く場面が最高。箸が転んでも笑う年頃の様子がめちゃくちゃリアルに撮られている。
トリート・ウィリアムズとの場面はもうちょいサスペンスが欲しかったな。

不純異性交友のことで頭がいっぱいのローラダーンのひと夏。家族との関係が静かに描かれていってほんと静かなんだけれど胸を打たれる。現実なのか白日夢なのか、彼女の願望と恐怖のシンボルのような男が現れる。住み慣れた家がただの箱になってしまうような不思議な時間。なんかスゴいものをみたような、不思議な時間をこちらも過ごしたような。