広告マンのグレーの段返り3つボタンスーツにグレーのタイ。
そしてボタンダウンシャツとローファー。
登場人物の衣装はもちろん街ゆく人々誰を見ても素晴らしく輝いているように思う。
間違われ、巻き込まれ、
とんだ災難とはヒッチコックの常套手段。
スケールが大きい話はというのは珍しく、
本作かトーン・カーテンくらい。
現代的な視点からするとヒロインについては一部の方面から批判されるような箇所も散見されるし、アメリカ的な記号が多く表象的だという見方もできるが、そんなもんはなんぼのもんで、作品の素晴らしさは変わらない。
映画の中へ観客を引き込む力いったいなんなのか。
物語の展開を最後まで楽しめるのは勿論、アメリカの風土が漂った映像が素晴らしい。
影のシークエンス・計算し尽くされたカメラアングルからのショットの数々は見事。
情報量が多く何度も何度も観返したくなる。
ここまでの没入感が生まれるサスペンスも類を見ない程でエンターテイメントの完成形。