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ソウル・サバイバーのhorahukiのレビュー・感想・評価

ソウル・サバイバー(1984年製作の映画)
3.7
“死”の総力戦!

勝手にクリスマスホラー①
飛行機の墜落事故から奇跡的に1人だけ生き残った主人公。その日から主人公に付き纏う「死者たち」を目撃するように…。ある者は遠くからじっとこちらを見つめるだけ。ある者は殺意を持って襲ってくる。彼らは一体なんなのか。自分だけが見える幻覚なのか。

『ファイナルデスティネーション』みたいに、死ぬ運命だった主人公をミスで生かしてしまった死神ちゃんが、あらゆる“死”を駆使して彼方の世界に絡め取ろうと必死になるという、ミスの後処理映画。一応、クリスマスを“舞台”にしたホラーだけど、クリスマスを“題材”にはしていないのでクリスマス成分は低め。5点中1点くらいのクリスマス感かな…😅

確かに源流は『恐怖の足跡』になると思うのだけど、どちらかというと同じ源流を持つ『ジャンボ墜落/ザ・サバイバー』の派生(リメイク)といった感じ。というか『ジャンボ墜落/ザ・サバイバー』が『墜落大航空』の名前でBlu-ray発売するようですね!知らなかった😂正直こちらの方が面白いので、そろそろ日本版ディスク出て欲しい!

赤い2つの街灯が死神の赤い目と呼応し、何処にいても常に見張られている感覚を冒頭で植え付けてくる。その監視を裏付けるように、主人公を連れ去ろうとする“死”は至るところに現れ、遠くに佇みこちらを見つめてくる。この『回転』のような恐怖演出が素晴らしく、同じく『回転』を源流にもつ『ハロウィン』からの影響も色濃いように感じた。

逃げたり扉を閉めたりと言った“死”の現実から距離を取る(自身で境界を作る)行動が多く、「オリジナルの言葉が浮かばない」のセリフや、止まる時計、マネキン-死者-生者が主観的に混濁していくクライマックス等々、生と死の境界が次第に曖昧になっていく表現が重ねられていくのが一辺倒ではあるけれど、面白かった。

それは彼氏という“死”の対極にある存在との会話の切り返しでも、ズームとオフスクリーンの音声、それまでがずっとミディアムだったのに後半ではロング→ソファ(境界)を跨いで接近としがみつきたい感情をうまく演出してた。

『アンブレイカブル』みたいに1人だけ生き残る…って生き残った人も相当心にダメージ受けそうだけど、ニッコニコな顔して「生き残ったことに罪悪感なんてないわ!」と言い放つ主人公さんのメンタルの強靭さは見習いたいなって思った!😂
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