ひろぽん

闇金ドッグス3のひろぽんのレビュー・感想・評価

闇金ドッグス3(2016年製作の映画)
4.6
『闇金ドックス』3作目

元ヤクザの安藤忠臣が経営する闇金会社ラストファイナンスで働く元ホストの須藤司は、女性専用の金融システム「ウィーメンダイヤル」を作り、順調に売上を伸ばしていた。そんな彼の顧客には、夢を諦めきれない元アイドルや、芸能プロダクションに所属する娘の成功に情熱を燃やすステージママなどがいた。さらに、新たなビジネスを展開すべくアイドルをプロデュースしていくはずだったが、須藤はひょんなことから失敗して取り返しのつかない事態へと発展していく。果たして須藤の運命はどうなるのかという物語。


1作目で登場した悪徳芸能プロダクション:サワムラ・ファクトリーの沢村社長と、規則違反でその事務所を解雇された元地下アイドル「ケロリズム」のえりなが再び登場する。

主人公が安藤忠臣から須藤司へと変わる本作。前作にも増してさらに面白い事態へと発展していく。

1作目からの流れが繋がるというシリーズものの良い部分が最大限に発揮されている。

そして、今作では中途半端なイケメン面が担保の須藤が自分なりの正義を貫くカッコイイ回でもある。何をやっても中途半端で、やっと見つけた天職でも大失敗をしてしまうが、それでも自分なりの信念を貫き通し、正義のためにプライドを捨て行動する彼の姿は男としてカッコよかった!

“オッケグーです👌”が口癖の沢村社長はピンハネからパワハラまでやりたい放題の悪徳社長。部下に対する愛はないし、年間5000万円も稼ぐ子役のつばきちゃんの母親にはすずめの涙程度の支払いしかしない悪態ぶり。そして、元アイドルのえりなからも違約金として500万円もの大金を不当に貪り取ろうとするクズ野郎っぷりは相変わらず健在で胸糞悪い。

CMにもバンバン出演して大金を稼ぐつばきちゃんのママが、事務所から不当に経費として搾取され、闇金にまで手を出さざるを得ない状況は見ていて辛かった。

アイドルとして再起をかけて一からスタートしようとするえりなも、事務所からの違約金や、自分の力で掴み取り参加できるはずだったフェスでさえ邪魔をされて怒り狂う…

どんな時も“女の味方”を謳う須藤が、苦しむ女性たちのために奮闘していく泥臭い姿がたまらなく良かった。闇金業者とは思えない正義感っぷりに感服した。

今回出番の少なかった忠臣が全部おいしいところをかっさらっていくラストが最高!

1作目からずっとモヤモヤしていた感情が、3作目で綺麗に全部吹き飛び爽快な幕引きだった。

ラストファイナンスが敵対しているライバル業者のひまわり金融・塩田までもがカッコイイ役回りで気持ち良かった。全ての悪を引き受けた津田寛治の悪徳社長っぷりは最高。

金の回収は忠臣で、女性を救うのが須藤という適材適所の役割分担がキッチリしているのも見どころ。

コレは完全なる『スカッとジャパン』だな。

これまでの2作と比べてジメジメとした雰囲気がなく、爽快な気持ちで観終えることができるから大好きな作品。
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