半兵衛

鮮血の情報の半兵衛のレビュー・感想・評価

鮮血の情報(1947年製作の映画)
3.5
第二次世界大戦下のスパイの活動をヒロイズム抜きにドキュメントタッチで描いた作品が戦後アメリカで製作されていたのに驚かされるし、ネタバレになるので深くは書かないが主人公と思われた人物が途中あっけなく殺されたり二転三転していく緊迫したストーリーやリアルな諜報活動など本格的なスパイ映画を作ろうとする制作者たちの意欲が伝わってくる見ごたえのある秀作に。非情なドラマは後年の『影の軍隊』や『陸軍中野学校』を彷彿とさせる。

ハンフリー・ボガードやケーリー・グランドではなくギャング映画で活躍したジェームズ・キャグニーやリチャード・コンテといった面子を主役に選ぶところも渋くて、二人ともそれぞれの持ち味を生かして好演してドラマに刺激をもたらしている。キャグニーの狂気とコンテの対比が決まったラストも印象的。

劇中キャグニーが上半身裸になる場面があるが、マッチョではないけれど結構がっしりしている。
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