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ブラウン・シュガーのcatmanのレビュー・感想・評価

ブラウン・シュガー(2002年製作の映画)
4.0
サナ・レイサン祭り継続中。お互いに想いを寄せつつ素直になれない幼なじみの二人がすれ違いを繰り返しながらも最後に愛を結実させるという基本設定は「Love and Basketball」と同じ。但し本作の主人公は人生の転機を迎えたアラサー男女で、内容はずっと大人向け。

おサナさんの役どころはメジャーなヒップホップ専門誌の編集長、お相手の男子はヒップホップレーベルのプロデューサー、というわけで本作のバックボーンは音楽(業界)。冒頭のインタビュー集に、ラッセル・シモンズ、クールGラップ、デラソウル、コモン、クエストラブ、ジャーメインデュプリら錚々たるメンツが登場。サウンドトラック参加/収録アーティストもめちゃめちゃ豪華でオールドスクールから当時のHip-HopとR&Bの主要アーティストが勢揃い。女子を落とす為のミックステープはルーサーとシャーデー、そしてプリンスの「ADORE」Extended Mix使いって台詞が最高。
とは言え決して音楽オタクに偏った映画にはなっておらず、ドラマの語り口に無理がなくてナチュラルでスムーズ。全般的にセンスが良いなって思ったら監督は『DOPE』の人であった。なるほど納得。コメディ要素もあって、マイケル&ポールの『The Girl Is Mine』のヒップホップ版で大衆ウケを狙うレン&テンによる珍作『The Hoe Is Mine』が馬鹿馬鹿しくて笑ってしまう。

共演のモス・デフとクイーン・ラティファ、二人の安定感は流石。お目当てのおサナさんはメイクも衣装もイケていてセクシー&キュート、利発的な音楽ライターでいてセンチメンタルな表情もチャーミング。この2年後にプレデターとタッグを組んでエイリアンと闘う事になるってんだから最高じゃないですか。
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