タイトルからただのB級パロディ映画かと思いきや中身はかなりしっかりした王道コメディ。
ひょんなことから白人セレブ姉妹に変装するハメになった黒人刑事の兄弟ってプロットがもう既にアホ過ぎて堪らない。性別と人種のコンプライアンスをあっさり無視するこの設定に拍手を送りたい。昨年末ダウンタウンの浜ちゃんがエディ・マーフィーの扮装をしたことで炎上したのが記憶に新しい日本でこんなコメディはなかなか作れないだろうな。
兄弟の女装が本物と全く似てないのに誰も気づかないという笑。「ミセス・ダウト」を思いきり下ネタに走らせた様な作風はとにかく下品だけどめちゃくちゃ痛快で笑った。お泊まり会のシーンとか笑。あとダンス上手すぎ笑。
下ネタだけと思いきや、男女の心の動きの違いをさり気なくストーリーに盛り込んでいる脚本には味わいがある。マーカスとケビンが女装したことによりいい意味で「女性らしさ」を身につけて成長したのが好きだった。
女と子がステージで赤ペンキを浴びるのが「キャリー」のオマージュだったり、冒頭のアイス屋とラストのパーティー会場の床が色彩的に対比されていたりと観ていて楽しい構図も盛りだくさん。
ラジー賞5部門ノミネートなんか関係ない、愛すべきバカ映画。