2世紀、ブリテン島のカレドニア(今のスコットランド)で起きたローマ帝国第9軍団(通称ヒスパナ)とピクト人の争いを、当時の侵略者側であるローマ軍視点で描いたもの。
これも歴史目当てで観賞。
第9軍団ヒスパナは数あるローマ軍のなかでも実際に強かったことで有名だけど、カレドニアの先住民であるピクト人の奇襲に遭い、生き残った団員が命からがら逃亡する。
追うピクト人と追われるローマ人。終始一貫しての逃亡劇。そう考えるとあんまりパッとした話ではないかも。でも面白かったから良し。
結構リアルに描かれてて、人が死にまくるわグロいわで残酷な描写も多いです。血しぶき(CG)も飛ぶ飛ぶ。
日本では劇場未公開らしいけど、そうだよね…大抵の人はマイケル・ファスベンダー目当てで観るくらいで、内容に興味持つ人は少ない気がします。
でも自分的には歴史が大好きだからかなり楽しめました。
個人的に興味深かったのがピクト人の存在。
映画としてはある程度は歴史の流れを汲んでるみたいだけど、おおかたはフィクションなんじゃないかな?
ヒスパナの壊滅理由にピクト人との戦いが関係してるのはよく指摘されてはいるものの、歴史学や考古学的にはその多くが謎のまま。そもそもピクト人の資料が少なすぎて存在そのものが謎に包まれてます。
小学生の頃にガイウス・ユリウス・カエサル著の『ガリア戦記』の中でその存在を知って以来興味深い存在でしたが、結局のところ今でもよく分かっていません。
独特の言語や文化を持っていたブリテン島の北方民族らしいけど、8世紀頃にはいつの間にか歴史から姿を消してしまう。
そんな謎多き民族を取り上げてる珍しい映画なので、個人的にはそれだけでも刺激的でした。