てるる

センチュリオンのてるるのレビュー・感想・評価

センチュリオン(2010年製作の映画)
4.2
「ディセント」「ドッグソルジャー」のニール・マーシャル監督による歴史もの。先日レビューした「第九軍団のワシ」の第九軍団の消滅を独自の視点で描く。

とにかくマーシャル節炸裂で血しぶきの量や飛び散る首やら手足やらが他の歴史アクションとは一線を画す。フィルマの評価はそんなに高くないけど、この監督はそこがツボで「第九軍団のワシ」よりも何度も観てしまう。
ストーリーも序盤は人質になった将軍を追いかける追跡劇から、後半は絶望的な逃亡劇に変わるのも面白い。
険しい雪山や広大な平原を駆けるシーンは「ロード・オブ・ザ・リング」みたいでワクワクする。
これが劇場未公開なんてどうかしてる。

キャストは結構豪華で主人公はマイケル・ファスベンダー、そして彼らローマ人を追いかけるのが舌を切り取られたオルガ・キュリレンコ。狼のように執拗かつ的確に追ってくる恐怖。怖いけど彼女がローマ人から受けた仕打ちを考えると同情してしまう。
ドミニク・ウェストは「300」では嫌な元老院役だったけど、今回は部下の信頼篤い将軍役。
個人的に好きなのはリアム・カニンガム。おじいちゃん兵士が「俺は頑固な老人だけど間違いは認める男だ」と相手の目を見ずに言うあたりが萌えるw
逃げる彼らを助けるアリアンヌ役のイモージェン・ブーツがめちゃくちゃ可愛いくて、この殺戮映画のオアシスになってる。彼女は静かに幸せに暮らして欲しいと切に願う。

血みどろの戦いはあれど、歴史考証はしっかりしてるので衣装やセット、ロケ地もリアルで没頭感もある。
是非「第九軍団のワシ」とセットで観て欲しい。出来れば「センチュリオン」→「ワシ」の順番で。
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