浅野公喜

ビーグル犬 シャイロの浅野公喜のレビュー・感想・評価

ビーグル犬 シャイロ(1997年製作の映画)
3.7
猟犬として育てられていたシャイロと名付けられたビーグル犬を少年が引き取ろうとする実話をベースにした小説の映画化。ビーグルは父方の実家が飼っていたので思い入れがある上にこのジャケットのピョコンとあがった耳が可愛くて以前から気になっていた作品でした。

シャイロが主人公の少年のピンチを救ったり人間と動物の交流を描いた内容というイメージだったのですが、犬達を荒く扱う飼い主からシャイロを守ろうとする少年がメインのストーリー。時に言葉で時に行動することで理不尽で現実的な考え方を持つ大人達とどう向き合うべきかが描かれている所に好感が持て、元の飼い主がかつて虐待を受けていたことを仄めかすことで人間→動物という虐待の負の連鎖もさり気無く描いてる事や、家庭で飼うことに否定的でありつつもなんだかんだシャイロに優しい両親達も印象的で終盤シャイロが少年に向かって駆けてくる所は胸を打たれます。雰囲気としては世界名作劇場風と言えるかも。

エンディングの曲はシーナ・イーストンが担当。主要キャラ達である元の飼い主を演じたスコット・ウィルソン、医師であり少年の良き理解者を演じたロッド・スタイガー、そして主人公の少年役のブレイク・ヘロン、その親友の少女役のJ・マディソン・ライトは全員鬼籍に入っており、特に若くして亡くなった最後二人は残念でなりません(ブレイクに関しては薬物中毒だったそう)。
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