エディ

ビーグル犬 シャイロのエディのレビュー・感想・評価

ビーグル犬 シャイロ(1997年製作の映画)
3.9
犬が主人公のようなタイトルだが、実際は逃げてきたビーグル犬を虐待する飼い主から守り自分で育てるために努力する少年の物語だと思う。
単に、犬と少年の交流を描くというのではなく、犬を飼うという心構えや家族としての接し方などを問うようなメッセージ性を感じる。なので、決して泣かそうと作っていないが感動する。
いじわるなハンターが飼っていたビーグル犬が主人公マーティのところに何度も逃げてなついてくるので、マーティは情が移って育てようとするが、飼い主はハンターで狩猟犬として訓練しているので譲ってくれないし、経済面などの家の事情もあって父親は犬を飼うのに反対している。
こんな状況なので、単に可愛いと思っただけでは諦めてしまうシチュエーションだが、マーティは必死にバイトをするなどしてビーグルを手に入れようと努力をする。
簡単に手に入って、犬と少年が交流するストーリーは数多あるが、気に入ったその犬を飼うことは事実上不可能に思える中で、マーティが必死に努力をしていく姿に心を打たれる。隠れて飼っていた犬が大怪我をしたことでハンターにばれた以降も、マーティは逃げないでなんとかして犬を手に入れるための努力をする。
マーティのそんな犬に対する情熱は最初からあったのではないと思う。周囲の反対も主人公の決意に繋がっただろうし、周囲の人との交流も主人公の犬に対する愛情を深めたと思う。
特に、友達のお爺さんが亡くなった娘に代わって孫を引き取って育てる話は胸を打つ。
犬好きとしてはもう少しシャイロの楽しい姿を見たかったが、単なる犬と少年との交流以上に、深いメッセージを持つ素敵な映画だった。
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