やだ…すごくいい映画だった。
最初の老害炸裂ぶりでえっ…と思ったけど、最後まで見て良かった。
まず、主人公59歳に驚き。いや、見た目年齢70オーバー感。
正直もののオーヴェは調子良く生きるのとは真逆に生きている。
ストーリーはベタだけれど、構成が良き。
オーヴェの唯一の理解者だった死んだ妻の後追いにチャレンジするたびに結局成し遂げられないのはおろか、その度に走馬灯という形でオーヴェのこれまでの人生が描かれるという手法が地味に良かった。
オーヴェの走馬灯はだいたい教会で親族の棺を前にして始まる。
そして、亡くなった奥さんのソーニャが、これまたオーヴェの後追いチャレンジを肯定してしまうぐらい素晴らしくチャーミングだった。
最後まで見たらオーヴェへの眼差しや感情が絶対的に変わるんだけど、自分も隣人にそう思えるようなコミュニケーションをとっているか思い返すと微妙だ。
そして、明日以降も頑固な年寄りをいざ目の前にするとオーヴェのことを思い出す前にガッカリ感情がきてしまうに違いない。
それと、福祉国家スウェーデンも悪徳福祉事業者がありなのね。ちょっと意外に感じました。
猫の看取りとあのシーンに戻るラストがもう最高すぎて。ウルっときた。