アラサーちゃん

幸せなひとりぼっちのアラサーちゃんのレビュー・感想・評価

幸せなひとりぼっち(2015年製作の映画)
3.0
🎦
「幸せなひとりぼっち」
集合団地に住む堅物老人のオーヴェは、規則にうるさく近所の住人からは変人扱いされていた。半年前に愛する妻が亡くなり、仕事もクビになったオーヴェは、妻の元へ行こうと自殺を試み、これまでの人生を振り返るもののことごとく失敗。果ては向かいに人騒がせな一家が引っ越してきて、オーヴェの生活は一変する。2015年、典。

期待を裏切らない、典型的なすてきな北欧ハートウォーミングでした✨

厳格な父にゲイをカミングアウトできない青年。ルール無視で愛犬を可愛がるバカ女。麻痺状態の夫の世話をする妻。
団地の中にはいろんな人たちがいる。その中でもひときわ変人のオーヴェが、親しくなったペルシャ人女性パルヴァネとの出会いから何かが変わりはじめる。
人嫌いのオーヴェ。愛する妻ソーニャ以外は誰にも心を開かない。でもそんなオーヴェにもこれまで生きてきた歴史があった。妻亡きあと自分を育ててくれた父、ソーニャとの運命的な出逢い。そして、かさぶたのように閉じていた悲しい過去が、奔放なパルヴァネによって少しずつ癒えていく。

絵本読んで、と子どもにせがまれるオーヴェ。しぶしぶ絵本を開いて読み始める。
「"イディールはクマの運転手に答えます"……」
妹「全然面白くない」
「まったくその通りだ」←この一言😂
姉「読み方がダメよ。もっとクマっぽく読まないと」
「……………」
パルヴァネのスマホを使ってクレームの電話を入れるオーヴェ。
「いつもこうだ。一方的に切られる」
「一方的に怒鳴るからよ」
こういうやり取りがとても面白い。

堅物老人と異国の女性の交流。テイストは違うけど「#ある海辺の詩人」を思い出す。それと違ってこれは心あったまるほっこり映画なので気楽に観られます。これまた北欧映画ですが「#キッチンストーリー」とかお好きな方は好きなのでは。
前半観てても、ミニシアター系のまったりした北欧映画でとくに面白くもないかなーって感じだったんだけど、後半よかったです!
父親の「告げ口しない主義」のラストの使い方うまかったな〜。父親の主義はこうして息子に受け継がれ、こんなラストに引き継がれる。笑