キャロル・リード監督といえば「第三の男」という大傑作サスペンスが思い浮かぶが、この作品もかなりの傑作サスペンスだった…。
戦時中の当時によくこんなあからさまな反ナチ映画を作ったということにあっぱれである。
とにかくテンポが良い。
観ている側に隙を全く与えてくれない、そのハラハラ感がもはや快感。
展開がギリギリまでいつもわからないので、ずっと気を張らねばならないほどである。
イギリス側から見た第二次世界大戦とナチといった感じで、民間のイギリス人がいい味出していた。
完全に巻き込まれたイギリス人たちが緊迫する作中の救いのお笑い担当だった。
終始ドキドキさせられるが、特に後半の列車からのシーンが手に汗握るものだった。
ラストにかけてのうまい駆け引きはもはや映画史上に残る名シーンと言っても過言ではないと思う。