アむーレ

子ぎつねヘレンのアむーレのレビュー・感想・評価

子ぎつねヘレン(2005年製作の映画)
3.3
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動物診療所で獣医を営む父子家庭である矢島幸次の元に、母子家庭で育った太一が預けられる。太一の母はカメラマンであり、海外へ写真を撮りに行くため、数週間だけ幸次に頼ったのだった。
転校生として太一が小学校へ初めて行ったその日の帰りに母キツネからはぐれた一匹の子ギツネを道端で拾う。その子ギツネは頭に怪我を負い、聴覚と視覚を失っていたのだった…
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う~ん…眠い!
ストーリーとしては悪くないんだけど、構成や音楽などの演出が良くないと感じました。
物語の緩急が浅く、ずーっとのんびりした印象。何か事件があってもそのあと家に帰って思いにふける…また新たな事件があってもまた家に帰って思いにふける…その繰り返しで、その思いにふける場面の音楽も同じメロディの使いまわしが目立ち、色彩が変わらない感じ。
あのメロディ自体は好きなんだけど多用しすぎな感。
あとあの綺麗な音楽に相対する、野生のキツネとして必死に生きる泥臭いような演出・音楽も必要では?

また、太一が診療所に預けられたという設定について、母親が海外から帰ってきたときに預けていたという事実が語られますが、それまでなんであそこに太一が一緒に住んでいるのかずっと謎でした。
小学校の先生は転校初日に保護者に会わなくて良いの?他人の家から通ってるってどうなの?って。説明不足。

あと、ヘレンが最後に浜辺に行くシーンで太一が花を沢山摘むシーン。あんなカラフルでバリエーション豊かに1ヵ所にだけ咲く花がとっても不自然だった。お花屋さんじゃないんだから。それなら太一が走り回っていろんな花をあちこち一生懸命探して集めるほうが良かったと思う。

太一の同級生が、太一が図書室でキツネに関する本を集めているのを見て、キツネの知識を遠回しに本を読むように説明するのも不自然だった。
普通に接してあげて普通に教えてあげれば良いじゃん!って。あの演出に至った意図をお聞きしたい…。

なんか全体的に綺麗すぎて、公共放送の教育番組的な道徳の教材的な感じがして、逆に不自然なような…エンターテイメントとしてイマイチ楽しめきれない印象だったのがとても残念でした。
子供向けかなぁ。
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