とびん

劇場版 空の境界/第一章 俯瞰風景のとびんのネタバレレビュー・内容・結末

3.9

このレビューはネタバレを含みます

不可思議な理由で自殺している女生徒は、病院に入院している女性の生霊が原因だった。
彼女の行動はエスカレートし、主人公と親しい仲である黒桐の魂を拠り所にしてしまう。
主人公は、彼女を殺すべく、戦い、事件は幕を閉じた。

ufotableの作品ということで、作画のクオリティはかなり高い。
また、キャラクターデザインが武内崇さんということで、『cannan』『fate』シリーズが好きな人は、かなり好みだと思う。

一作目だけ見ても、なんのこっちゃわからないが、全編見て初めて作品の片鱗を覗けると思う。
それくらい、作品の設定、世界観、思想は難しく、哲学的要素を多分に孕んでいる。

この作品で、考えさせられるポイントは、『浮遊』と『飛翔』。
どちらも結果として同じものだが、過程と原理が異なる。
『浮遊』はただ目的もなく浮いているだけ。『飛翔』は目的のために飛ぶ。
枯葉と飛行機が宙に浮かぶそれが違うように、殺人をした彼女と自殺した彼女たちの存在は明らかに違う。
浮遊をしたままであれば、きっと、なあなあに浮かび続けられたと思う。
ただ、飛翔するということを選んだ彼女は、死ぬという道を選んだのだと思う。
少し哲学的だったが、面白かった。
とびん

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