OASIS

ブルー 初めての空へのOASISのレビュー・感想・評価

ブルー 初めての空へ(2011年製作の映画)
3.8
温室育ちで飛ぶ事が出来ない絶滅危惧種のアオコンゴウインコが、実験の為に向かったリオの街で騒動に巻き込まれるという話。

「アイス・エイジ」等を手がけたブルースカイ・スタジオ制作のCGアニメ。
主人公の声はジェシー・アイゼンバーグ、そしてヒロインはアン・ハサウェイ。
特にアン・ハサウェイの歌声は透き通っていてなんとも美しかった。
サンバのリズムも心地良く、リオ・デ・ジャネイロの街並みを上空から撮らえたショットの美麗さは格別だった。
俯瞰から見ただけでは分からない、街の裏に確かにある貧困層の暮らしぶりも滲ませる程度には描かれていて、リアルとまではいかないもののブラジルに住む人々やそこにある物を忠実に再現している。
密漁を手助けする鳥やスリを働く猿等、動物達ですら犯罪の匂いがプンプン漂う。

話はアオコンゴウインコの二匹が密漁犯に狙われてそれを取り返そうとする人間達を描くもので、当たり前の如くインコ達と仲間にスポットが当てられ気味。
だが、飼い主や犯人達、孤独な少年が行く先々で積極的に絡んでいく為人と動物の距離感が絶妙な位置で保たれつつ進む。
確かに街に根付く人々と、そのバランスを壊さない程度にかき乱すインコ達のドタバタ具合はリオならではのお祭り感で楽しませてくれるし、終盤のカーニバルシーンは圧巻の映像美。

ブルーが飛ぶか飛ばないかというのは邦題でサラッとネタバレしているものの、ラストまで巧みに引っ張る事で充分感動できる作り。
ボサノバ調から情熱のサンバまで、歌がどれもテンションを盛り上げてくれるものばかりで楽しい気持ちになれて大変満足だった。
「RIO2」は劇場公開してくれる事を切望する。
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