ケロケロみん

デス・サイトのケロケロみんのレビュー・感想・評価

デス・サイト(2004年製作の映画)
4.0
ローマでイギリス人観光客が拉致され、トマト嫌いの警部補アンナマリにメールが届く。サイトを開くとポーカーゲームサイトと拉致された女性の動画が出てくる。犯人はゲームに参加しないと人質を殺す、参加して3回勝てば解放するという。警察署長は犯罪者の言いなりになってはならぬと反対し、あーのこーの言う間に殺される。イギリスでヘマをしてイタリアに飛ばされ、観光客の安全担当にされたジョン捜査官(兼検死官)がお前ら何やってるんだこの無能なイタ公め!とやってきて反感を買うが、アンナマリは共感。それから次々起こる凄惨な事件の捜査に当たる。被害者からは珍しい花の種子が検出された。
アンナマリの赤の服装と緑のインテリアが往年の「サスペリア」のように美しい。自然な年の重ね方を感じる女性の美しさがアメリカ映画と全く違って、一味違う色気がある。殺人シーンは肝心なところはみせないが、痛さと緊迫感ハンパない。ただ相変わらずのイメージ重視でストーリーの堅牢性にかけ、理詰めのサスペンスを想定すると疑問が残る。
ノエ監督「アレックス」の撮影監督を起用して自然光のみでの実験的な撮影をこころみたそうだ。ろうそくや街頭、ライトの光がミステリアスな雰囲気を高めている。2000年代のダリオ・アルジェント監督作はあまり評価されないみたいだが、私は楽しんだ。ポーカーシーンは思わずヨシ!とか違う!とか気合いが入った。