浅野公喜

生首情痴事件の浅野公喜のレビュー・感想・評価

生首情痴事件(1967年製作の映画)
3.6
ある男が財産目当てで愛人と共謀して妻を殺害、すると妻の首だけの幽霊が現れ・・という60年代の怪談物(Jホラー)。フィルムの状態が悪いのか一部ブツ切れで画質も悪いですが雰囲気は〇。

どうして首だけの幽霊なのかと言うと電車に轢かせて自殺に見せかけたら首だけ見つからなかったから。その後男の前に頻繁に首が現れるわけですが、その際紙が突然燃えて愛人に燃え移り顔に大やけどを負うはめに。すると今度男は看護婦に手を出し愛人を捨てようとするのですが実は看護婦と医者がグルで・・というちょっと凝ったストーリーの中ゲスな連中ばかり登場し、彼らが取っ組み合う最後は何故か蛇まで現れ混沌としてます(笑)。そんなわけで意外と妻の首だけ幽霊は思ったより目立たないのですが、前述の最後の取っ組み合いを部屋の上から何もせず黙って眺めている姿は地味な不気味さが有って〇。

一部シーンがカラーになるのが新鮮で、少しだけ観れる焼けた顔の愛人のビジュアル、剃ってない腋毛(笑)はちょっとインパクト有りました。特撮には円谷プロのスタッフも参加したそうで、今作で培われた技術は翌年「怪奇大作戦」における「散歩する首」というエピソードに活かされてるかもしれません。
浅野公喜

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