ふた

下宿人のふたのレビュー・感想・評価

下宿人(1926年製作の映画)
3.8

私たち鑑賞している者が、演者の動作や目線から予想してしまうという(当たり前の)性質をうまく使ってストーリーテリングしてますよね!ことこどく裏切られる

ヒッチコックは、本当にここの演出がうまいと思います。それがサスペンスの本質であると思いますし、イギリス時代の初期作品のこの作品でもとても感じる部分です

またサイレントだからこその(鑑賞者の)読み取り方をよく理解しているかな、と

キスシーンがなんともお熱いのね、
クローズアップして割と長い時間見せる、しかも焦らす。結構好きです
一方この時代日本ではキスシーンは検閲されてましたねえ、キスは西洋の文化って認識みたいっすよ。

個人的に気になったのは、
上の階を歩き回る表現で天井を見ると、歩いてる姿がオーバーラッピングしているカット
他にも、足跡にオーバーラッピングするカットもありますよねえ。見えない部分を見せて感情移入させるみたいな?

病室のカットで、壁に掛けられている謎の絵とか、字幕部分で三角形の図形があったり、無意識下の「既視感」を掻き立てる感じがかなりヒッチコックっぽい

楽しめました!
ふた

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