真世紀

スー・チー in ヴィジブル・シークレットの真世紀のレビュー・感想・評価

3.8
冒頭、路面電車との接触事故で金貸しの男(我らがアンソニー・ウォン)の首が飛び、首無しのまま胴体がふらふら歩き回り、絶命する事故が発生。落としたリンゴを拾おうとした少女は車体の下に転がったアンソニー生首と目があってしまう。

美容師(イーソン・チャン)が知り合い、一夜を過ごした美女(スー・チー)。彼女こそ事故を目撃した少女の成人した姿。友人(サム・リー)に誘われた集団デートで彼女と再会するが、彼女には左眼のみ幽霊を見えてしまうという秘密があった。そしてそんな力を持つ彼女に巻き込まれるかのように不思議な事件が次々と起こる。また、彼女は首無し男の霊が周囲を徘徊すると訴えるのだが。

どぎついメイクで現れたり、いきなり抱きついてきたり、無邪気に子どもと戯れたりと何よりも不可思議かつ奔放なヒロイン、スー・チーがやっぱりいいですね。美人顔じゃないんだけど動けば動くほど魅力が増していくお気に入りの女優さんです。たとえ霊感少女だろうが霊に追い回されようが何だろうが、個人的にはスー・チーなら問題なしです。

霊の憑依など、話の設定自体はホラー映画なんだけど、怖さの追求に徹するというより、微妙に外してみたり、主人公の美容師とその父や兄とのちょっとしたシーンに情が溢れていたり、なんだか奇妙な味わいを醸し出す。この味を受け入れられるかどうかとスー・チーが好きか嫌いかでかなり評価が左右されるだろうアン・ホイ監督作。
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