無名の女子中学生たちを重量挙げの代表選手として育てあげた故チョン・イニョン氏の実話をベースにした作品。女子中学校の重量挙げ部を舞台にしたスポ魂ドラマでありながら「サニー 永遠の仲間たち」（2011）にも通じる青春回顧の感動作である。チョン・イニョン氏をモデルにした重量挙げ部コーチ・ジボンを演じるのは個性派俳優イ・ボムス。ソウル五輪の大怪我で惜しくも金メダルを逃し、以後落ちぶれた生活を続けている元・韓国代表選手を時にユーモアを交えながら哀愁たっぷりに演じる。そして、彼と運命的な出会いをする天涯孤独の女子中学生ヨンジャに扮するのはチョ・アン。コ・ソヨン主演「お姉さんが行く」（2006）でコ・ソヨンの少女時代を魅力的に演じた彼女が、今回は重量挙げ選手として将来を夢見るひた向きな演技で感動の涙を誘うのだ。最初は落ちこぼれだったヨンジャたちがジボンの厳しくも愛情溢れる指導により選手として、そして人間として逞しく成長していく過程も見どころがいっぱい。難病ネタで感情を煽りまくる演出はあざとさが見え隠れしてあまり好きではないが、選手ひとりひとりに宛てた手紙のくだりはきっと胸が熱くなることだろう。
15/03/07 再鑑賞
