爆裂BOX

死神ジョーズ・戦慄の血しぶきの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

3.1
カリブ海の島で正体不明の生物による犠牲者が続出。疑問に思った海洋生物学者が調査を進めるが、その正体はサメの顎とタコの触手を持つ恐るべき生物兵器だった…というストーリー。
「ジョーズ・アタック」より以前に制作された作品なのに「ジョーズ・アタック2」のタイトルでDVDが出ている変種のサメ映画です。監督のジョン・オールド・Jrは「デモンズ」の監督であるランベルト・バーヴァの変名です。
カリブ海の島の近海で海洋資源独占の為に開発された生物兵器が次々人を襲い、疑問に思った海洋生物学者が機械修理業者と共に調査を開始し、その正体に近づいていきますが、それと共に開発したマッドサイエンティストの放った刺客も彼らに近づいてくるという内容になっており、怪物が暴れるパニック映画要素と開発したマッドサイエンティストをめぐる陰謀を追うクライム映画っぽい要素が合わさったようなストーリーになっていますね。主人公格の海洋生物学者ステラと機械修理業者ピーター、襲撃事件を追う保安官と逞しすぎる上腕二頭筋もつその部下、生物兵器の秘密に近づく者を始末する殺し屋と複数の登場人物がそれぞれ独自に物語を進めていく群像劇のようなスタイルですが、そのせいでキャラの視点が切り替わって緊張感持続しないうえ、メインキャラかと思ったら何時の間にか登場せず台詞で死んだと処理されるキャラがいたりと結構乱雑です。ストーリー的にもそこ丁寧に掘り下げる必要ある?って所描いたり…対生物兵器よりもその陰謀をめぐる攻防の方がメインになってます。
主役である生物兵器はサメとタコの遺伝子掛け合わせイルカの知能を持たせたハイブリッド生物タコザメですが、当時の技術では模型そんなに派手に動かせないからか、触手や顔のアップか海中を進むタコザメのぼやけたシルエットで映す為、全体像が最後まではっきり見えないのは残念。前半の方はたまに人襲うくらいで暴れっぷりも物足りないかな。終盤の警官隊を次々襲っていくシーンはいい暴れっぷりでした。襲撃シーンは触手と口や牙のアップでそれと襲われる人間の顔をアップで映すという手法と触手で海に引きずり込まれる人を映す方法ですが、タコの触手の造形は滑ッとした感じとか悪くなかったです。イタリアらしく手足喰いちぎられた犠牲者のグロ具合もいい感じ。時間と共に細胞分裂で自己増殖していくという設定も面白い。まあその設定活かされる前にアッサリ倒されましたが。
黒幕の正体は予想道理でしたが、その発覚からの末路はえらくアッサリしてました。
ロジャー・コーマンが製作した「シャークトパス」は一応今作のリメイクだったんですね。タコザメというアイディアだけでストーリーは別物みたいですが。
全体通して80年代のイタリア映画の昔懐かしい雰囲気は個人的に好きでした。トンデモサメ映画のパイオニアとしてサメ映画好きは一度見ておいてもいいかもしれまSんね。