「ブレッド&ローズ」はパン(=最低限の生活)とバラ(=豊かに生きること)をかかげるアメリカの労働運動のスローガン。
ケン・ローチがアメリカにおける移民労働者の処遇改善運動を描いたもの。
エイドリアン・ブロディが労働組合を仕切り労働者と共に闘う活動家を演じてた。
不法移民であることが弱みで劣悪な待遇で働くマヤとその仲間たち。
根本的な問題は別の所に根深くあると思うが、これは弱みにつけこんで搾取する雇用者に立ち向かう話。
法律は無視、都合が悪くなればクビにすると脅す。
人権なんてあったもんじゃなかった。
デモを行いゲリラ的な活動を行って一時的には良くなっても、この先まだまだ壁が立ちはだかるだろうなと思うと、潔く清々しく散ったマヤの姿も晴れ晴れとは思えず。
数々のハードルのうちの一つを越えただけなんだなと思うと、なんとも言えない気持ちに。
マヤとサムが法的に結ばれれば少なくともマヤは安泰なのでは?…と思ってしまった私はまだまだ考えが浅いなと反省。そんな単純な話ではない。
マヤの姉の告白が重たく響いた。
これもいかにもケン・ローチらしい映画。
アメリカを舞台にしてるのは珍しいかな。
ティム・ロス、ベニチオ・デルトロ、ロン・パールマンがカメオ出演してた。