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Hype! ハイプ!のtakaのレビュー・感想・評価

Hype! ハイプ!(1996年製作の映画)
4.0
制作年が1996年ということでブームも落ち着き、Hype(誇大広告)という否定的単語から連想される内容だけでなく、自分的にはその音楽が如何に素晴らしかったかを振り返る映画でもあった


シアトルの曇りがちな気候と重暗い雰囲気を纏った音はやはり関係しているのだろう
片田舎で多くの若者はバンドへ熱中し下地は出来上がっていた
メタルとパンクの良いとこ取りの骨太なバンドが多く、演者も客も着飾っているのは皆無で純粋に音楽が好きなことがわかる
ただこの映画に登場する8割方のバンドは光るものはあるがパッとせず突出した何かが足りない

中でも実力をつけ始めていたグリーンリヴァー(マッドハニー、マザーラブボーン〜パールジャムの前身バンド)やサウンドガーデンが頭角を現し、サブポップレーベルが動きだす

そのサブポップは元々戦略的プロモーションが上手かったのもあり、後発のニルヴァーナがバカ売れしたことでシーンの流れが一気に加速、メディアでの大々的な取り上げや最も恐るべき"ファッション化"という弊害が顕著に
後半は笑い話にしても不快で見てられないしグランジって言葉ホント大嫌い笑
バンドを人気のレモネード屋に例えてたのとラスト「次はあなたの街かもしれない」の皮肉が効いてたw

他の見どころとしては、多くのジャケットやステージ写真を撮った写真家の証言、スメルズの初披露ライブ、日本のレコード店とやや悪意ある原宿ホコ天風景、アンドリューウッドとカートの死について(レインはまだ元気)、パールジャムのリハ、サウンドガーデンのライブ&舞台裏、そしてメルヴィンズ(来日中!)


思うのは、仮に例の爆発的ヒットがなかったとしたらもっと息の長いなだらかなブームになっていたかということ
ニルヴァーナはブリーチの段階で話題になっていたし、脅威のソングライティングで売れたのは時間の問題か
ただ少なくともカートの死は回避できたかもしれない
相乗的に売れたにしろ、やはりパールジャム、サウンドガーデン、アリスインチェインズは注目されないはずもなくブームは必然だったのだろうとも思う

それにしても客層はティーン中心で当時はアメリカでもロックは熱かったんだなぁ・・
売れるのは勿論悪くないが売れ過ぎもどうかと思う
メタリカは色んな意味で売れ過ぎた
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