B級怪獣エイガ

トランスフォーマー ザ・ムービーのB級怪獣エイガのレビュー・感想・評価

4.7
伝説のプレミア廃盤の今作をついに手に入れたので慎重に再生機にセットし観賞。

その先で待っていたのは勢いと熱量、情報量のカオス。基本的には俺はこういうの『好きだけど途中でバテて飽きてきちゃう』タイプだから少し不安になったがどっこい。今作に限っては最後までしっかり笑かしてもらった。

ちなみにTVシリーズはほぼ未見で、【ヤバい】という事だけ知った上で今作に挑んだが全然楽しめた。というか、『TVシリーズに比べたら今作はシリアス。』という大真面目な感想を各地で散見できるのだが、これでシリアスってTVシリーズどうなってんだよ…俺見るのが怖いよ……。

まあ将来刮目するであろうドカオスに思いを馳せるのは後にして、今作について。

今作はTVシリーズ1と2010の架け橋となる主人公交代の重要作品なのだが、起承転結全てがクライマックスという奇跡のバランスで成り立っている。
冒頭で銃声が始まったかと思えば、感覚的には最後まで銃声が鳴り止まぬことがなかったような、そんな印象だ。

ストーリーは荒唐無稽の権化そのもの。大宇宙を舞台にしてるのにとてつもなくフットワークが軽く、まるでご近所のように星々を移動しまくる。そしてその訪れる星々全てでぶっ飛びイカレな展開が繰り広げられるのだ。

とにかく色々ヤバい映画だが、ここでは特に凄かった展開2つを紹介しよう。

まず、似非中国語(〜あるね)を話すガラクタの惑星の野蛮金属生命体の奴ら。さっきまでマッドマックスの世紀末ヒャッハー状態だった奴らが【宇宙共通語の挨拶】とかいう謎の挨拶をしただけで超友好的な超発展文明へ変貌する展開。マジで謎すぎて雑すぎて笑った。

そして、これが最大の面白ポイント。ウルトラマグナスが死ぬほど可哀想問題。コンボイ司令官に直接次の司令官に任命され、その責任の重さを噛み締め1度は断ったものの責任を全う。したのにも関わらず、例のシーン。『この期に及んでどうして開いてくれないんですか!?』
選ばれた者のみが開けるマトリクスをコンボイ司令官から受け継ぎ、『宇宙を一つに!』と声を高らかに上げ仲間達を逃がし1人で敵立ち向かったのに開かないマトリクス。『この期に及んでどうして開いてくれないんですか!?』と悲痛の叫びをコンボイ司令官に訴えかけるも開かないマトリクス。そしてメガトロンは容赦なく『死ね』と銃を放つ。
本当に可哀想。あまりに可哀想で滅茶苦茶笑った。ウルトラマグナスに幸あれ。

他にも随所に面白ポイントが存在しており、実写版の1作目でラジカセに扮しサム・ウィトウィッキーのズボンを脱がしたフレンジーの『おい!なんとお呼びすればいいのかな!』の可愛さや、滅茶苦茶早口でせっかちで落ち着きのない凄いキャラの強い奴がまさかの今作で初登場?らしいことや、音楽が常に場違い感がありテンションのおかしさに加担してることや、ラストのエンドロール流れるシーンで固まる絵面が『なんか、いやいいんだけどね?これでええんか?』と絶妙に困惑する感じとか、もう枚挙にいとまがない。

もうこれ以上今作について語るのは疲れるのでやめるが、機会があったらぜひ見てほしい。まあ超プレミアついてるからなかなか手が出しずらいと思うが。サメ金属生命体、シャークトロンも出るしね。