みむさん

マルティナの住む街のみむさんのレビュー・感想・評価

マルティナの住む街(2011年製作の映画)
3.3
この日本版ジャケットはシリアスな映画だと誤解を与えそう。
大人になりきれない人たちの軽いドタバタロマコメ。序盤から笑えるし下らないネタもあるが、しっかりハートフルに締める。
映画のネタがたくさん出てくるのも良い。

結婚式当日に花嫁に逃げられたディエゴを元気づけようと従兄弟のフリアンとミゲルが子供の頃の思い出の地、初恋の人がいる町に連れ出す。

タイトルの「Primos」は従兄弟たちの意味。

落ち込むディエゴが初恋相手マルティナに会えたとたんにそっちに夢中、それはそれでいいけど、大人になるまでにはいろいろ事情は変わってるしどうするんだと。
ディエゴを元気づけるはずのフリアンが恋した女性は昔から知ってるビデオ店のおじさんの娘。
このビデオ店のおじさん役にアントニオ・デ・ラ・トレ、ほぼずっと酔っぱらってて娘に嫌われてるお父さんだが、娘と映画の話をするシーンが良い。あの映画は何年だったっけ?で言い合ったりしてるの微笑ましい。
その父娘の和解、さらに戦争で片目を失い鬱気味のミゲルとマルティナの息子の交流、このサイドストーリーが本筋のディエゴの話より印象に残る。

というか、おバカだけどこういう従兄弟関係は良いね。

「アレハンドロ・アメナーバルは天才!24歳でテシス撮ったし!」って共通認識だけど忘れがちなポイント映画の中でもちゃんと言ってるのはスペインならではだな。