午後

べルベット・アサシンの午後のレビュー・感想・評価

べルベット・アサシン(2009年製作の映画)
3.1
ジャケットやキャッチコピーは、「セクシーな美女のヒットマンが悪いやつをバサバサ薙ぎ倒す爽快アクションムービー!」みたいな感じなんだけど観てみたら全然違って、よく言えば静かな、悪く言えば地味な映画だった。
イメージとは違ったけど、強制される殺しの仕事の合間に、壁に絵を描いたり、スーパーで買い物したり、音楽がうるさい隣人に文句を言いに行ったりといった生活のシーンが違和感なく溶け込んでいて、というか殺しのシーンよりもそういう生活のシーンの方が長くて、そんなアクション映画は新鮮だった。
夫に殴られるお隣の奥さんと仲良くなるんだけど、片や銃の扱い方を、片やスーパーのお買い得品の見分け方を教え合う。
二人とも物騒な組織や乱暴な夫に囚われているが、弱い者が逃げ出すのにはどうしても力が必要だという矛盾があって、銃がその力になり得るというのはなんだか悲しいな。
そんなもの悲しさがつきまとう映画で、印象に残るのは、引き金をひくことのあっけなさと、引き金をひいたあとに残る重さ。
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