李

不安は魂を食いつくす/不安と魂の李のレビュー・感想・評価

4.0
"この世界が2人だけならいいのに"
と、エミが心の内を話すシーンで1番ポロポロ泣いてしまった。傍で大丈夫だよと頭を撫でてくれる人がいることはとても幸せなことで、好き同士2人だけのそんな世界があればそれで良いのに、世界は全然優しくなくて彼らが越えなければならない障壁は大きかった。容赦なく降り注ぐヘイトと幸せの中に苦しみが蝕んで徐々に心の歯車もずれる2人の姿がずっと苦しかったけど、この鋭い痛みがきっと観た人をもっと優しくしてくれると思うし、観に行って良かったなあと思う。誰かを愛すると人は強くなると同時にとても弱くなる、愛は厄介で難しい。いつも通りエンドロールで涙引っ込めタイムしようと思っていたら、エンドロールなくてやばいやばいやばいやばいってなった。この映画からファスビンダー監督を知ったのですが、今公開してる残りの2本も観たくなってしまった今日でした、、、(1番観たかったのは今作)
「幸福が楽しいとは限らない」 「不安は魂を食いつくす」

初めて行った映画館2023⑧
Bunkamuraル・シネマ渋谷宮下
渋谷駅前に移転してから初でした。ロビーから照明暗めでめちゃめちゃ良かった... 渋谷の雑踏が嘘みたいです。
李