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不安は魂を食いつくす/不安と魂のJPのレビュー・感想・評価

2.3
アフレコのせいなのか、生活感の無い端正な美術のせいなのか、ずっと人形劇を見ているような感覚に。
エミが友人にアリの肉体を自慢する場面では、否応なく「GET OUT」を思い出したし、年齢も肌の色も超えた恋愛を描いた作品としては「EMPIRE OF LIGHT」も思い出しながら見ていた。
社会の冷たい視線に抗い、本当の愛と自由を手にする女性の物語!…になるのかと思いきや、決してそうはさせなかったのが◎
「幸福が楽しいとは限らない」という開幕の文言通りなのだ。
食文化の違いや、エミの無自覚な黒人男性差別など、亀裂の原因は色々あった。だが最後何とか踏みとどまれたのは、きっかけとなった音楽の力…もあったのだろうか。飲み会の時に音楽の音量を下げろと警官に注意される場面もあるし、異文化そのものの象徴として「音楽」が今作では重要だったように思えた。
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