Leo

シェーンのLeoのレビュー・感想・評価

シェーン(1953年製作の映画)
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平成最後の大晦日にBSプレミアムで放送されたのが、本作でした。
一時代の終わりを描いた本作を、平成最後の大晦日に放送する演出が粋でした。

"Guns aren't going to be my son's life."
ーこのセリフが発せられた10数年後、ベトナムの戦地では、多くのジョーイ達の人生の中心に、銃が据えられる事となりました。

西部劇の典型的要素を散りばめただけの凡俗な映画として語られる事が多く、少年の目線のカットをもう少し減らせるのではないかと思いますが、銃の時代の終わりを描いた本作と、ベトナム戦争という銃の時代を送る事となったベビーブーマー達の対比という切り口には、考察の余地があるのではないでしょうか。

6〜8歳のジョーイがベビーブーマーと同い年である点、戦後8年目に作られた作品である点、自分たちが「力」でアメリカの土台を作ったというライカーのセリフと第二次大戦に従軍した人々のアメリカ史観が相似している点 ー 映画批評家にとっては通俗な作品であるにも関わらず、世の中に広く受け入れられている理由は、アメリカ史における本作の意味を振り返ることで明らかになるのかもしれません。
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