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実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)のNMのレビュー・感想・評価

4.0
そこまで興味はなかったのに、たまたま見始めたら止まらなくなってしまった。集団心理の恐怖がこれでもかと描かれる。

最初は同じ熱意で集ったはずの若い仲間たちは、徐々に疑いあい、アラを探し合い、告げ口し合い、そして次々と殺し合う異常事態へ……

「もっと総括しろ!お前総括が必要だな!どう総括するつもりだ!そんなものは総括ではない!お前たちも総括できているなら総括しろ!……」

もはや意味の分からない会話だが、誰も異を呈さない。そんなことをすれば自分が暴行され、みんなから見下げられかねない。自分自身を洗脳したほうが生存しやすい。帰りたくなっても、生きてこの山を下りることは許されていない。

誰が正しいのか、自分は間違っているのか正しいのか、何が目的なのか、もう誰も分からない。暴行はどんどんエスカレート、女も、妻子連れも、妊婦さえも関係ない。終いには堂々と死刑まで。

人間であることが疑われたら殺されるゾンビ映画にも思えた。魔女狩りとか人狼ゲームにも。

特に女性同士の憎み合いが凄まじく描かれている。嫉妬むき出しで、美人のお嬢さま(坂井真紀)を、女性陣はよってたかって苛め抜く。
特に実力派女優・並木愛枝のリーダー役の演技が凄み。表情が凄い。

立てこもり、彼らの母たちが説得にあたるが、作品中それだけが唯一正論に思え、観ていて救いだった。
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