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死体を売る男の0000のレビュー・感想・評価

死体を売る男(1945年製作の映画)
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RKOリュートンホラーの一本でリュートンが脚本にも参加。
原作が『宝島』『ジキル博士とハイド氏』のスチーブンソンによる短編。
カーロフは堂々怪奇スターの貫禄、英語苦手なルゴシはすっかりイゴール系の脇役。
オチなんかはいかにも短編怪談らしい感じだけど全体としては「バークとヘア事件」を絡めつつも「逆ジキルとハイド」「リアリズム版ジキルとハイド」って感じで、リュートンホラー的文法に則ってる。
名医の活躍の裏で、汚れ仕事、影の仕事をやってる男がいて、要は自分のダークサイド的分身で、一生まとわりついてきて逃れられない。それをジキルとハイドみたいに二重人格的に表現するんじゃなくて逆に普通に別人として表現、そしてその影の存在を排除しても結局影の面なくして名医は生き続けられない。今まで影の存在がやってたことを自分でやらなきゃいけなくなるだけ、そしてすぐにあっけなく破滅。みたいな。
見せない恐怖演出や、カメラがパンしてフレームインと音でびっくり的なおなじみリュートン作法もやってるけど、馬の蹄の音の演出を作品の軸にしててそれ一本でけっこう勝負してる感じで、それでちゃんと「馬の蹄の音ホラー映画」になってて見事。
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