すずす

ミッドナイトのすずすのネタバレレビュー・内容・結末

ミッドナイト(1939年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

ミッチェル・ライゼン監督、チャールズ・ブラケット&ビリー・ワイルダー脚本、クローゼット・コルベール、ドン・アメチー主演のシチュエーション・コメディの大傑作。機転を利かせた、その場凌ぎの嘘が積み重なり、すったもんだの末の見事な大団円です。

アメリカ人の踊り子イブ・ピーボディー(クローデット・コルベール)は、雨の最中にイブニングドレス姿でパリ駅に降り立ちます。お金のない彼女は、気さくなハンガリー人のタクシー運転手チェルニー(ドン・アメチー)を口説き、支払いは仕事が見つかったら2倍の運賃を払うという条件で、クラブを巡りますが全滅。チェルニーは夕食をご馳走し、夜勤の自分の代わりにアパートに一泊することを申し出ますが、イブは逃げ去ります。追ってきたタクシーから逃げようとパーティ会場へ、入口で招待状の代わりに質札は渡し潜り込むことに成功します。
主催のステファニーが演奏を中断し「イブ・ピーボディー」がいないか尋ねますが、知らん顔のイブ。しかし隣のジョルジュ(ジョン・バリモア)は訝し気な表情。
マルセル(レックス・オマリー)がイブをトランプに誘い、ヘレン(メアリー・アスター)とジャック(フランツ・レデラー)と賭けブリッジをします。ジョージが部屋に来て、ヘレンの夫だと挨拶。イブは4千2百フランも負けますが、何故か、財布の中に1万フラン入っています。イブは名前を訊かれ、咄嗟に「チェルニー男爵夫人」と名乗ります。
イブが宿泊先はリッツホテルと云うと、ジャックが車で送ってくれます。ジャックがイブから離れず、ホテルロビーで鍵を貰う振りをするのですが、名前を告げると、豪華なスイートの鍵が渡されます。

その間、チェルニーはイブを捜すため、同業のタクシー運転手に声を掛けます。
翌朝、イブが目覚めると、荷物が到着し、着替えが入っています。
ジョージが到着し、彼は妻ヘレンとジャックが不倫関係で、ジャックがイブに惹かれていることに勘づいて、シャンパン会社の御曹司ジャックにイブに惚れさせることで、ヘレンとの関係を断ち切ろうと考えていることを告げます。成功報酬は5万フラン。

週末のパーティで、ジャックはイブに惚れこみます。一方、トランプをしたパーティの主催者からイブ不明のままだと聞いたヘレンはイブの身分を疑い、彼女の質札から荷物を取り寄せると、イブがしがない踊り子だと知ります。

一方、タクシー運転手がイブの居場所を突き止め、チェルニーがパーティ会場へ向かいます。
へレンがイブの事実を暴露しようとした時、チェルニーが到着し、貴族のように振舞い、イブに愛を語ると、ヘレンは勘違いなのだと引き下がります。
翌朝、イブはお金持ちのジャックと結婚したいので、チェルニーに別れるように云いますが、彼は引き下がりません。そこで、イブは皆が揃った朝食の席で、チェルニー男爵は精神を病んでいると云うと、チェルニーは本来のタクシーの運転手として姿を現し、皆は納得します。

遂に、イブとチェルニーは離婚訴訟の法廷に立ちます。離婚は承認されますが、15分間二人で話し合う時間が用意されると、チェルニーは急に髭をそり始め、精神病患者の振りをしはじめると、裁判官は法律の定めに従い、この離婚協議は無効だと宣言します。
ヘレンはジョージと仲直り、そして、チェルニーとイブも婚姻届けを出しに向かいます。

皆が出逢うことになるパーティからの一連、ないハズのお金がバッグにあったり、ホテルではない筈の予約、それもスイートルームがあったり、クスクス笑いが止まりません。
そして、最後のパーティ明けの朝のタクシー運転手姿のチェルニーが出てきた場面では大爆笑でした。
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